【7月17日(日)10:00〜12:00 地ノ森仮設住宅】 大船渡市での初めての『公園遊び』は、 地ノ森地区という高台のところに建てられた仮設住宅に住む子どもたちを対象に参加者を募って行った。
事前に自治会長さんに開催案内のチラシを配布していただいていたのだが、 子どもたちが実際集まってくれるかという不安があり、 楽しみにしている気持ちと、不安な気持ちが交差しながら現地に到着。
実際に現地に行ってみると、 正直不安の方が大きくなった。 10:00からの開催予定だったのだが、 その予定時間になっても子どもたちは現れない。
そう、これこそが公園遊びなのだ。
公園とは自由な空間であり、 子どもたちが時間を支配できる空間である。
つまらないと思えば帰れるし、 おもしろいと思えば永遠に帰ろうとしない。
それが公園なのだ。
それを自分たち大人の都合で10:00開催なんていう方が本来おかしい話である。
僕たちは気長に子どもたちを待つことにした。
その代わり誰かが来たら絶対おもいっきり楽しんでやろうという気持ちに改めてさせてくれた時間だった。
10分ほど待っただろうか、 子どもが3人、 仮設住宅の駐車場に現れた。
僕らはボールを持ち出し、 いきなりドッジボールの勝負を仕掛けた。
「オレに勝てるかな??」
「絶対負けねえし!!」
そこからはさみドッジボールがヒートアップ。
熱が入りすぎて周りの車が危ないので公園に移動することになった。
子どもは元来〈負けず嫌い〉だと僕は思っている。
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公園に移動してからはたくさんの遊びをした。
ろくむし・けいどろ・けったん・はさみドッジなどなど。
その全てで子どもたちは「妖怪ガキ大将」には絶対負けねえぞという強い気持ちで挑んできた。
言葉はお世辞にもキレイとは言えず、 ある人に言わせれば[くそガキ]って言われるかもしれないが、 僕はそんなギラギラした目で一生懸命全力で挑んでくる[くそガキ]が大好きだ。
みんな本来は[くそガキ]だったはずだ。
赤ちゃんの頃からお行儀が良くて物わかりの言い子どもがいたら、 それはそれで不自然でありおかしなことだ。
地ノ森地区のみんなは僕の大好きな[くそガキ]だった。
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当日はNPO法人愛知ネットの方々も地ノ森仮設住宅にやってきて、 そうめんの炊き出しを行っていた。
昼食時間に間に合わないぞということで急いで仮設住宅に戻ったが、 まだ遊び足りないということだったので、 集会所の前でみんなでめんこをした。
みんな見る見るうちにめんこにはまり、 集会所で昼食をとろうとしたおばあちゃんも緊急参戦して楽しんだ。
めんこは奥が深くなかなか難しいので、 つまらなくなり途中でやめてしまう子どもも多くいる。
でも地ノ森の子どもたちは違った。
めんこが取れないことを悔しがり、 何度も何度も挑戦していた。
うまい人のやり方をじっと見つめ、 自分だったらどうやるかを考えていた。
実に頼もしかった。
めんこの投げ方だって自分で工夫しながら考えてやっていた。
子どもの可能性は無限大である。
僕らのような大人がどうしてその可能性を否定できるのであろうか。
[くそガキ]だった子どもたちが、 〈おとな〉に[くそ]な部分を削ぎ落とされ、 〈物わかりの良いガキ〉になり、 そして〈おとな〉になっていく。
いまその成長の段階をおとなたちが勝手に省略させてしまっているのではないだろうか。
そんなことを再確認できた地ノ森仮設住宅の子どもたちとの楽しい時間だった。
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