白つつじの会タイトル

明治から昭和初めにかけて活躍した文人 生田長江について紹介します。
※「白つつじ」とは、生田長江が妻の死後、悲嘆の中詠んだ詩の題名。率直にその心情が表され創作のきっかけにもなった作品です。

   
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作家論

 長江が東京帝国大学在学中に発表した「風葉論」は、同時代の日本の作家を扱った初の本格的な作家論として注目されました。

 夏目漱石、森鴎外を初め、田山花袋、島崎藤村、泉鏡花、徳田秋声、真山青果、森田草平、正宗白鳥など、独自な選択眼によって同時代の作家を選び、多くの作家論を書き残しました。

 長江は「批評の独立」を主張し、批評は、自己を語り、自己を発表するものであるとして、それぞれの作家に忌憚のない意見を述べています。

 それらは、「同時代の文学界に密着した評となっていない」との批判もありますが、「泉鏡花論」は、今なお泉鏡花論の規範となっています。


長江の夏目漱石論

 創作と批評とがないまぜになっているのが漱石氏の小説である。
 「猫(我輩は猫である)」はこの点からの代表作随一である。和魂洋才の漱石氏には人生観に問題意識がないゆえ思想家として偉大を認められない。氏の『低徊趣味』は、人生の厳かなる大事を忘れている。ユウモアとイマジネイションと都会人の官能を以って氏の作品の特色とする。

※和魂洋才・・・日本固有の精神と西洋の学問。
※低徊趣味・・・世俗的な労苦を避けて余裕ある気分で東洋的な詩美の境に遊ぼうとする趣味

長江の森鴎外論

 鴎外氏は貴族趣味であり西洋趣味である。洋魂でありながら和才を発揮できる人である。
 氏の「あそび」の態度には陽気で気楽な面のみで、陰鬱の気が入っていない。本業に熱心であるが、芸術(文学)の上に真剣であると同じ程度に、人生そのものにも真剣であるという面が見えない。学問歴の厚い氏であるが、浪漫主義の熱がない。


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